タイヤキのしっぽはマーケットにくれてやる!―藤巻健史のディーリング戦記 |藤巻 健史
タイヤキのしっぽはマーケットにくれてやる!―藤巻健史のディーリング戦記
藤巻 健史
日本経済新聞社 刊
発売日 2001-09
価格:¥1,470(税込)
「東京屈指のディーラー」として、世界中のマーケットにその名をとどろかせる男、藤巻健史による著作第2弾。前作『外資の常識』のお笑いエッセーとは若干趣を異にしており、辣腕ディーラーのプロフェッショナルな側面がのぞける貴重な1冊に仕上がっている。
本書には大きく分けて6つの価値がある。1つ目は、三井信託銀行に11年、モルガン銀行に15年勤務した著者の経験を通じて、邦銀と外銀の違いが感じられること。2つ目は彼がディーラーとして知り合った、世界を代表するマネーメーカーたちの横顔と投資哲学、戦略を知ることができること。3つ目はディーラーという仕事の厳しさとやりがいを知ることができること。4つ目は、トップトレーダーとして活躍してきた藤巻の相場のとらえ方や投資戦略を、刺激的な過去の事例とともに学べること。5つ目は、藤巻から一般投資家に向けて、「金持ち父さん」になるためのポイントが具体的かつ実践的に示されていること。そして6つ目は、前作同様のユーモラスなエッセーを楽しめることである。
前作だけを読んで、著者を「ただのギャグ好きなオッサン」と思い込んでしまった人にとっては、本書は衝撃的な1冊になるだろう。なぜなら本書では、著者のディーラーとしてのプライドが随所に見受けられ、その自信を裏づける確固たる論理が併せて紹介されているからである。藤巻流ジョークというオブラートに包まれてはいるものの、その鋭い分析力と日本市場に関する知見、ディーラーとしての卓越した能力は隠しようがない。
読者によってさまざまな読み方のできる本であるが、醍醐味は世界に通用する人材としての藤巻健史を知ることができるという部分だろう。あくまで日本人としてのアイデンティティーをもち、主張すべきは主張し、仕事に自信と責任をもって臨む。その上で国境を越えた人脈を築き上げていく姿は、まさに真の国際人と呼ぶにふさわしい。(土井英司)
わざと負けたのか? 2005-07-29
勝ちっ放しじゃ人生面白くありません。
負けも彩りになるわけです。
ってことは藤巻さん、わざと負けたの?
投資にそれほど関心のないぼくでも面白く読めました!
投資成功の秘訣は長期トレンドにあり 2005-03-19
JPモルガン日本支社で「伝説のディーラー」の異名をとった藤巻氏のディーラーとしての日々と持論の戦略が述べられている。(弟さんはアパレルのカリスマバイヤーで最近フクスケの社長に就任された)
藤巻氏の成功戦略は長期的視野に立った投資を一貫した事にあった。
・景気がよくなれば、株と通貨が強くなり、債権が売られる。
・景気が悪くなれば、株と通貨が弱くなり、債権が変われる。
大きなトレンドの中では小さな綾に手をださない事も重要と述べている。短期的な売り買いは一時、大もうけできても結果として大損する事を経験的に注意喚起している。
個人投資家へのアドバイスとしては、藤巻氏の成功の原点である長期的トレンドを見る事。自分で考えて実践する事。個別株は個人投資家はプロには勝てない。株だけが投資ではない。経済の基本を勉強する事。プロはビジネスとして期ごとに成果をださなければいけないが、個人はその足かせがないのがアドバンテージになる。
これらは実務経験者ならではの発言であり、重みを感じる。ほぼ同様の主張は木村剛氏の「投資戦略の発想法―ゆっくり確実に金持ちになろう」でも述べられており、エコノミストの理論からも正しさを感じる。
ディ−ラー日記は内輪ネタギャグの散漫なくだりもあるが、総じて、良書として、個人投資家の方々にも一読、いただきたい一冊である。特に素人のディリ−トレーダーの方々には投資活動がきちんとリスクヘッジされているか確認のためにもお奨めしたい。
ちなみにレビュアーの少額資産は外貨運用で、基本的に株には手はださない。外貨の為替変動は金利でリスクヘッジされるが、株はリスクヘッジが困難だからである。
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この記事は2006/7/7に作成しました。